頭を使うパズル問題は、大昔から愛されてきました。
今回のテーマは、とても有名な論理的思考力を使うパズルである『川渡りパズル』です。
川渡りパズルの起源
川渡りパズルは、今から千年以上前、8世紀に生まれたといわれる歴史あるパズルです。
川渡りパズルは、ペンシルパズルのような筆記用具も不要で楽しめて、なかなか頭を使う難易度のやや高いパズルであることから、多くの人の好奇心に火をつけてきたのでしょう。
定番の川渡りパズルとは
川渡りパズルの基本は、以下のルールです。
- すべての人や動物や物を対岸に運ぶ
- 運ぶために使えるのは2席のボート
⇒1つの席には人・動物・物のうち1つしか乗せられない
ここに、それぞれの問題ごとのルールが加わります。
ここで最も定番の川渡りパズルをご紹介します。
農夫・オオカミ・ヤギ・キャベツの川渡りパズル
農夫が、オオカミとヤギとキャベツと共に対岸に渡ろうとしています。
渡るための道具は小さなボート1つだけです。
ボートには、農夫とあと1つだけ(オオカミかヤギかキャベツ)乗せられます。
困ったことに、農夫がすぐ近くにいないと、オオカミはヤギを食べてしまいますし、ヤギはキャベツを食べてしまいます。
さて、どのように運んでいけば、無事すべてを対岸に運べるでしょうか?
論理の冒険に出発
ここからは実際に解いていこうと思います。
解説にもなっているので、このパズルを解いたことがないという方は、ぜひ一度解いてみてから先に進んでください。
最初にオオカミを運ぼうとボートを漕ぎ出すと、すぐにヤギはキャベツに飛びついてしまいます。
最初にキャベツを運ぼうとすると、ヤギがオオカミに食べられてしまいます。
消去法で最初に運べるのはヤギだけだとわかります。
農夫はヤギをボートに乗せて対岸に行き、ヤギをおろして元の岸に戻ってきます。
次に運べるのはオオカミかヤギです。
これはどちらでも問題ありません。
このパズルは、正解が2通りあるパズルです。2通りといっても考え方は同じですが。
今回はオオカミを先に運ぶことにしましょう。
農夫はオオカミを連れて対岸に向かいます。
そして、農夫はオオカミをボートからおろし、残りのキャベツを運ぶために元の岸に……。
ここがこのパズルの最大の落とし穴です。
農夫が元の岸に戻ってしまうと、オオカミがヤギを食べてしまいます。
(キャベツを先に運んだ場合はヤギがキャベツを食べてしまいます。)
どうすればいいでしょうか?
解決のカギは、一度運んだヤギをボートに乗せて連れ帰るという1手です。
対岸にはオオカミだけが残されるので、ヤギは無事です。
元の岸についたら、ヤギをおろしてキャベツをボートに乗せて対岸へ。
対岸にいるオオカミはキャベツには興味なしですから安心です。
キャベツを対岸におろして、農夫は元の岸にいるヤギを迎えに行けばいいのです。
これでオオカミ、ヤギ、キャベツを無事に対岸に運ぶことができました。
いろいろなバリエーションがある川渡りパズル
農夫とオオカミ、ヤギ、キャベツの川渡りパズルの他にも、いろいろなバリエーションがあります。
キャラクターの設定も様々で、ストーリーを楽しむことができるのも川渡りパズルの特徴の1つでしょう。
例えば「3人の宣教師と3人の人食い人種」という比較的有名なバリエーションがあります。
これは、元の岸、対岸のどちらかでも人食い人種が宣教師の数を超えてしまうと、宣教師が食べられてしまうというもの。
例えば「3人のベテラン社員と3人の新入社員」としてもいいでしょう。
元の岸、対岸のどちらかでもベテラン社員の数が新入社員の数を上回ると新入社員が萎縮してしまうという、緊迫感の薄めな設定です。
論理的思考力を鍛えるパズルとしても優秀な川渡りパズル

川渡りパズルは、現状の把握をして、行わなければいけないことを理解し、厳しい制約の中で実行していくという緻密な思考が求められます。
さらに、「一度ヤギを元の岸に戻す」という機転の効いたひらめきを生み出す、柔軟な思考も必要です。
頭のトレーニングにぴったりですね。
だからこそ、長年愛され、今でも多くの人の思考を楽しませているのでしょう。
お時間があるときに、ぜひ、3人のベテラン社員と3人の新入社員の川渡りパズルも解いてみてください。
3人のベテラン社員と3人の新入社員の川渡りパズル
3人のベテラン社員と3人の新入社員がボートを使って対岸に渡ります。
ボートは2人ずつしか乗ることができません。
元の岸と対岸の両方で、ベテラン社員が新入社員の数を上回ってしまうと、新入社員は萎縮してしまいます。
ベテラン社員としては、新入社員に心理的な負担を与えないように対岸に渡りたいと考えています。
さて、新入社員を萎縮させることなく6人全員が対岸にたどり着くためには、どのような順番でボートを使えばいいのでしょうか。
無くても解けますが、6つのコマを用意して実際に動かしてみると、頭の中が整頓されて解きやすくなりますよ。
次のページに解説を置いておきます。
<改ページ>
ベテラン社員をベテランA~C、新入社員を新人A~Cとして解説します。
最初に対岸に行けるのは、ベテラン2人か、ベテラン1人と新人1人です。
これ以外だと元の岸でベテランの数が新人を上回ってしまいます。
この2つの手順はどちらでも大丈夫です。
手順1:ベテランA、ベテランB(又はベテランAと新人A)が対岸へ
手順1戻:ベテランB(新人A)が戻る
※手順1と1戻で、対岸にベテランが1人いる状況を作れれば良いので、2通りの方法があります。
手順2:ベテランBとベテランCが対岸へ
手順2戻:ベテランCが戻る
手順3:新人Aと新人Bが対岸へ
手順3戻:ベテランBと新人Bが戻る
手順4:新人Bと新人Cが対岸へ
手順4戻:ベテランAが戻る
※この時点で新人3人が対岸、ベテラン3人が元の岸にいます。
手順5:ベテランAとベテランBが対岸へ
手順5戻:ベテランBが戻る
手順6:ベテランBとベテランCが対岸へ
いかがでしたか?
楽しんでいただけたでしょうか?
一度ベテラン3人が対岸に行ってから、3人とも元の岸に戻るというところがこの問題を解くカギです。
